音楽家が腰痛、肩こりになる本当の理由と改善
「あたた…腰がズーンと。。。
弾いていると、だんだん腰が痛くなってくる。
肩もこっててガチガチ。
夜には足が棒になるし、帰りにマッサージ寄らなきゃ。
ストレッチやってるんだけどなぁ。」
腰痛、肩こりは一般の人にも多いです。
でも、音楽家はなりやすい理由となってはいけない理由があります。
見出し
音楽家が腰痛、肩こりになりやすい訳
歌や演奏する人が腰痛、肩こりになりやすい訳
□歌や演奏する際に、同じ姿勢を長時間保つ
□楽器の重みが体にかかる
□楽器に構えて傾く
弦楽器や横笛で首、背の左右の歪み、指板に向く、足を組んで腰の歪み
□発声や吹奏での呼気で力む
□よくない姿勢
□体がかたく柔軟性がない
□楽器など運搬の負担
また、日常生活で肩や腰に負担がかかることも多いです。
・前屈みの姿勢 洗顔やシャンプー、デスクワーク、スマホ、家事など
・姿勢がよくない 猫背、反り腰、X脚O脚など
・かたい靴・パンプス、サンダル、柔らかい靴
・机に肘をついたり足を組む癖で、背中や腰が左右にねじれる
・あぐらをかいたりソファ・乗り物で丸い腰のまま長時間動かない
・中腰での作業、重いものを運ぶ
・筋トレ、柔軟運動によるもの
これらが混ざり合って、首や肩、背中、腰に痛みが出ます。
歌や演奏する人が腰痛、肩こりになってはいけない訳
歌や演奏は、体を動かしてする体現芸術、体の動きによる技術です。
体を動かしてすることなので、背中に痛みやコリがあれば、体幹は動きにくいです。
体幹から動く腕、脚、胸の動きが十分でなく、自覚しませんが歌や演奏で余計な力を使います。
■鍵盤や弦楽器ー背中が動きづらいと肩から腕の動きが十分でなく、手が自由でない
■ピアノやドラムー上半身が動きにくい、腕、脚の動きが悪くペダルを踏みにくい
■歌や管楽器ー体幹の膨らみへこみが十分でなく、息を十分出せていない
パーツが自由でなく本来の実力を発揮できず、伸びる力を阻みます。
腰痛、肩こりの本当の理由
ヒトは安定が悪い
地球にいる私たちは、常に重力によって下に引っ張られます。
てっぺんにある頭が重く上体が重い二足歩行の動物が、25cm前後の小さな足底で動きます。
かたさ、足の動きが不十分だとバランスが悪く、頭の重みが肩にかかったり、ひずみが腰に出たり疲れます。
特に現代人は、座る時間が長くて動きが少ないです。
また、コラーゲンやエラスチンなどによる弾性が年齢と共に減って、筋肉や関節はかたくなります。
動きの要である腰が痛いと、自分を支えられない、重力に逆らって動けなくなります。
また、多くの人は、硬い靴を履いて地面を蹴らずに歩くので、足が十分機能していません。(特に音楽家は)
だから、ただ歩くだけで疲れたり、若いのに足底を痛めたり、巻き爪になる人も多いです。
体全体を支える足元は、柔軟かつ強靭なところで、足裏が全身を支えて動くための働きは大きいです。
体のバランスは、足裏からとりづらくなります。
慣れない人がヒールの高い靴を履くと、体がフラフラする感覚がわかります。
ヒールなどで体全体のバランスがよくない状態で動いていても、慣れているとバランスが崩れているとは思えません。
車でもタイヤが1本空気圧が足らなければ、走りは悪くなります。
二足歩行する人の脚は、地面を蹴って走ることができて、上体や荷物を支えて大きな衝撃も吸収します。
骨盤の上下につく、背中の筋肉や腿の深層筋は、私たちが立って動くのに大きな役割を果たします。
外側の筋肉がかたいと強い呼気、クシャミや衝撃が加わった際、衝撃を吸収せず背中や腰を痛めてしまいます。
なぜ、腰痛はよくならないのか?
腰が痛いと、姿勢を保つ、歩く、息をしっかり出す、物を持つ、手を使う動作が満足にできません。
腰痛は下半身が上半身を支えて動くことが難しい状況です。
それに、突然ギックリ腰になると、歩くことさえできず演奏どころでなくなります。
腰痛がなおらないのは
これまで腰痛の治療方針は、レントゲンを撮って「腰椎の4番と5番の間が狭まっています。
椎間板ヘルニアは手術しないと治りません。」
ヘルニアとは、背骨同士の隙間にあるクッションのような椎間板が、背骨から飛び出した状態のことです。
ギックリ腰になったら安静、鎮痛剤や湿布で痛みを和らげるというものでした。
痛み止めで、痛みが減って楽になるのはいいのですが、
腰の手術をしたけど、再び痛くなったり、手術を繰り返す人が少なくありませんでした。
ところが、画像診断で椎間板ヘルニアがあっても腰痛がない人もいます。
今ではヘルニアは、飛び出した髄核をマクロファージが食べてしまうので、自然になくなってしまうとされています。
またギックリ腰も今病院では、安静よりも出来るだけ早く動かすことが推奨されています。
たとえ重いものを持ち上げた際に、腰の骨に異変を感じたとしても、時間が経てば回復します。
そのまま半身不随になって歩けなくなる人はいません。
つまり腰痛は、ヘルニアの有無など背骨局所を問題にしても意味がありません。
腰痛には、筋トレやストレッチとも言われます。
背中の筋肉を強くすればいいと、痛いところに負荷をかけることはいいでしょうか?
運動やヨガをしているのに、腰が痛い人もいます。
原因がはっきりしない、いろんな方法で改善できないので、最近は腰痛の原因として精神論も盛んです。
考え方や行動を変えて、腰痛と上手につきあっていくというものです。
でも、私だったら腰痛さんとおつきあいはお断りします。
腰が痛いからとあまり動かないでいると、ますます自分の脚で動けるようにはなりません。
適切に動かないでいると、下半身へ行く神経が障害されて、本当に足に力が入らなくなったり排泄に障害が出たりします。
そうならないように慢性化させない、自分を支えて動けるようになる必要があります。
痛みなく動けるために
腰痛を起こさない人
日本人で腰痛を起こさない職種の人がいます。
それは、力士。
中腰で重い相手を抱えても、相応に自分を支える力が強く、姿勢よく柔軟で脚がしっかり働きます。
腰痛、肩こりを改善していくには
足がきちんと働いて、背中が柔軟でバランスがとれていると、全身が動きやすいです。
柔軟というと大きな角度曲がることを連想しますが、背中がほぐれていて、いろんな方向に動きやすいようにかたさがないことです。
下半身がしっかり上体を支えると、歩くときや立位、座る姿勢が安定して、体幹から腕や脚に動きが連なりやすい、パーツが動きやすいです。
□体幹の筋肉がかたくない
□足がきちんと機能する
□これらでバランスのとれた姿勢
よくない姿勢や長時間動かないような、好ましくない生活習慣も改善していきましょう。
音楽家が動きやすい体
運動が適切か
私達は、手足がよく動くとは、“力がある、角度が大きく曲がる”と考えがちです。
これは体育教育やジム産業の影響です。
歌や演奏はその場で体を動かします。
体そのもの、体の中が動きやすいことで パーツが自由に奏でやすくなります。
手や腕が動きにくい、脚が動きにくいとき、「力不足だから筋力をつけよう」という発想をしがちです。
習熟者の場合、パーツが動きにくい原因は、体幹のかたさからくる動きにくさであることは多いです。
動きにくいと無自覚のうちに力んで、ますます動きにくく、楽器からの反力が大きくなり疲れ、やがて痛めます。
かたさに気づかないから、問題です。
演奏しやすい時には、力を入れなくても動きやすいはずです。
安定した姿勢は、体幹がかたくなくそこから連なるパーツの動きの抵抗をなくします。
腰痛やこりをよくしていくことは、重力に逆らって立つこと、自分の体を支えられて動きやすくなることです。
かたさがなく、こりや痛みがなくなると、手腕が自由に奏でやすくパフォーマンスが上がります。
上虚下実の演奏
動きがいいと言えば、五嶋みどりさん。
全身、腕の動きから奏でられる音。
下半身がしっかりして、上半身がかたくない様子を、武道では「上虚下実」という言葉で表します。
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《ミュージシャンボディトレーナー進藤浩子》 バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。 趣味は、大人から始めたクラッシックバレエ、英会話、カラオケ♪ 詳しくは ≫プロフィール |