音楽家の体と心「感情」
こんにちは。
ステージに上がる音楽家のためのパーソナルトレーナー進藤浩子です。
体と心のつながりシリーズ、感情、心についてです。
体って、頭で考えるよりスゴいんですよ!(頭は「思考」のページへ)
体と心
体に心が表れる
私たちは「体と心は別」という概念を持っていますが、人の体と心を切り離せることはできません。
感情は、顔や体に直接出ます。
緊張すれば、表情がかたくなって手や体がかたくなったり震えたりします。
悲しい時には、表情も暗く声が小さく、元気なくなります。
興奮すると、息が荒く声が大きくなって、手に力が入ります。
頭で考えるより正直に、体に”心の声”が表れ、顔や声、呼吸、心拍などに出ます。
精神的に負担があれば、頭ではわからなくても、食欲が減ったりお腹の調子が悪くなったり、動きがおっとりします。
臓器に異常がなくても、ストレスから胃腸が調子悪くなったり、呼吸に影響したり声が出にくくなったりします。
時には鬱になり、朝起きれなくなったり思考へ影響します。
心の負担は意識しないうちに積み重なるので、心理状態は体の方がよくわかると思います。
呼吸への影響
呼吸には情動、心理がとても反映されます。
精神的なショックで、息が止まりそうになったり、ストレスから過換気症候群やパニック障害になります。
過換気症候群だと体が酸素過多になって息できなくなり、パニック障害だと心拍が速くなって命の危険すら感じます。
呼吸が変化することで、心臓、そして血流まで影響を受けます。
感情が顔や声、呼吸、心拍などに表れるのは神経系支配のせいで、これについては神経のページに書きますね。
感情のコントロール
気分を変える方法
落ち込んだ時に楽しい曲を聴いて楽しくなったり、ゆったりした曲を聴くと穏やかな気持ちになります。
金木犀の香りを嗅げば幸せになったり、山や海など大自然を見ればリラックスします。
運動して気分がスッキリしたり、ヨガのようなストレッチでリラックスします。
五感覚や筋肉の動きなどから、感情は変化します。
考え方によっても、感情の起こり方は変わります。
ネガティブな感情はよくない?
一般的に「ポジティブでいなくてはならない、ネガティブな感情はよくないもの」とされていて、そう思い込んでいます。
悲しい、寂しい、苦しいのは受け入れたくない、逃れようとお酒に走ったりします。
人は生きていると辛い経験を避けられません。
これはマサチューセッツ大学教授だった精神科医J・カバットジンも『マインドフルネス低減法』に書いています。
誰でも悲しい寂しい思いはするし、失敗したり病気になったり苦しいこともあります。
悲しい時、胸のあたりがシクシク痛んで、涙が出ます。
悲しい、寂しいという感情は、人として自然なもの、人間らしい感情です。
泣いて嗚咽したりワーッ泣くと、胸が空いて意外とスッキリします。
自然に湧いてくる感情を受け入れないと、余計辛くなります。
イヤな感情だからと受け入れないと、過去の出来事に延々こだわったり、自分の辛さを誰かのせいにしたりします。
ネガティブな感情は身体的には不快ですが、湧いてくる感情を認め、思う存分悲しむ方が早く楽になります。
苦しいことを乗り越えることで、大きな成長や喜びはもたらされます。
ネガティブなことは人に必要なもので、受け入れることで乗り越えられ、必要以上に辛さを長引かせずに済みます。
「ポジティブでなきゃいけない」ことはなく、どの感情も大切です。
人とつながる
共感できる
心の痛みは、悲しんでいる人や苦悩している人を思いやることにつながります。
辛いとき、人とつながることで安心します。
もちろん、楽しい、嬉しい気持ちもつながりますよね。
どの感情も大事で、感情を人と共有できることを共感って言うんでしょうね。
音楽が人の心に響いて、癒したり歓びを分かち合えるもの、そして体で奏でることの意義に繋がる気がします。
最後に
自分が考えている以上に、体には本心や本能的なものが出ます。
痛みや心身をコントロールしにくいとき、原因は自分の頭で考えてもわかりにくいです。
動きをよくするために、ただ回数や大きさを求めても、よくなりにくいばかりか時には逆効果になります。
音楽を奏でる体が、頭や心とどんな風に繋がっているのか書いてきました。
体を動かしている神経系は、思考、感覚、感情がつながって影響し合います。
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《ミュージシャンボディトレーナー進藤浩子》 バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。 趣味は、大人から始めたクラッシックバレエ、英会話。 詳しくは ≫プロフィール |