ステージでのあがり、恐怖を克服する【対策編】

こんにちは。

ステージに上がる音楽家のためのパーソナルトレーナー、進藤浩子です。

 

あがりは、自律神経系によって体に症状が表れます。

体側から意識してコントロールすることで症状を抑えることができます。

ステージ恐怖症を克服するためには、本人が「変わらない」などの固定観念を捨て、変わろうとすることが大事です。 

【原因編】の続きです。

リハーサル

本番前日まで

動きを意識しなくても、歌や演奏が再現できるように練習し、暗譜や予行演習をします。

本番では練習していた通り行動し曲を演ることで、音楽がいつも通りに体を動かしくれます。

 

イメージトレーニング

実際に歌ったり楽器の音を出さずにできるので、暗譜などでイメージトレーニングを取り入れたり、普段からやっておくことが必要です。

どんな方法のイメージトレーニングでもいいのですが、理想の音をイメージすることが大切です。

音をイメージするだけで、音を出すパーツを動かす脳の中の神経回路を使う効果があります。

イメージトレーニング色んなやり方

 

当日のリハーサル

リハーサルの時間は、何分、何時間あるのか、限られた時間の使い方、確認することを決めておきます。 

リハーサルでは、立ち位置や座りやすさ、動きやすさ、セッティングや現場の楽器の具合、譜面等の見えやすさ、音の響き方等を確認します。

身体や目、耳での確認作業です。

 

リハーサルと本番の間の時間、できるだけゆったり過ごすことをお勧めします。

人と笑顔で雑談したり、イメージトレーニング、好きな飲み物を準備しておいて飲むなど、余裕を持ちます。

食事は本番から逆算して、消化に負担のないものを飲食します。

 

リハーサルと本番は状況が違います。

リハーサルの方が緊張している場合もあって、本番の方が楽になる人もいらっしゃいます。

 

 本番でリラックスする方法

歌や演奏が始まったら、音楽だけに集中します。

動きを意識すると余計な力が入り、無意識で動くプログラムが崩れてしまいます。

 

自分が奏でる音楽を気持ちいいと感じると、リラックスにつながります。

少し緊張があって心身がちょっと興奮しているくらいが、実力を発揮しやすい状態です。

 

体を使ってリラックスをする方法は、普段から行なって本番で普段通りに行います。

簡単な紹介になりますが、どんな方法、動きをやると自分が落ち着けるのか知って、普段から行なうといいです。

 

呼吸

心拍を直接コントロールすることはできなくても、呼吸だけは意識して行うことができます。

ゆっくり静かに鼻で吸って鼻からゆっくり吐きます。

 

ゆっくり息を吐くことで、迅る心拍を落とします。

心臓が落ち着くことによって他の体の症状が和らぎ、気持ちも落ち着きます。

口で息をしたり、息をしすぎて過換気にならないように。

 

ルーティンワーク

ルーティンワークとは、決まった動作を習慣的に行うことです。

同じ動作を丁寧にすることで心を落ち着かせ、物事に集中して実力を発揮することができます。

 

イチロー選手は、バッターボックスにいつも同じ足の運びで入りバットを持つ手の動きなど一連の動作をルーティンにしています。

体のウォーミングアップ、楽器の持ち方や座り方を順番を決めて行ったり、耳を傾けてチューニングするのも精神統一になります。

 

人がやってる行為を真似てやるのではなく、自分が落ち受つくような動作を普段のレッスンや日常でルーティン化します。

また、仲間と円陣を組んで声を出すことを恒例にするのもいいです。

 

マインドフルネス、瞑想

マインドフルネスは、体をリラックスさせ余計な思考をコントロールします。

マインドフルネスによって、集中しやすく安定した精神状態で、ストレスに強くなります。

瞑想のトレーニングを続けることで、副交感神経系の活動が増したという研究報告があります。

 

刻々と変化する状況の中で、何があっても動じない集中さは大切です。

本番ではミスをしても、次へ次へ動いていかなくてはいけません。

常に「今ここ」に熱中します。

 

大丈夫です!

「自分は大丈夫」と自分で自分に言い聞かせます。

たとえミスをしたところで、誰かに責められたり世界が終わったりしないことを胸に刻みましょう。

観客はそんなに聴いていない、と考えるのも手です。

 

薬物療法

薬は医師の処方が必要ですが、薬を飲んでいても不安を感じる状況に慣れていって、対応できるようになります。

 

 β遮断薬(心臓や血液の流れに使われる薬)

アドレナリンやノルアドレナリンの働きを抑えることで、あがりの症状を軽くします。

服用しているうちに、次第に薬の必要性がなくなり薬に頼らなくて済むようになることが多い。

 

 向精神薬

精神安定剤や抗うつ薬がありますが、依存性など問題があります。

 

 お酒

根本的な解決にはなりません。

不安を紛らわせる助けにはなるかもしれませんが、音楽的な面や音楽家としての安全面(契約違反)からお勧めできません。

 

あがり症を克服する

本番のあと

失敗の記憶やネガティブな感情を払拭するために、間違えたところはその日のうちに弾き直して、できることを確認します。

脳は寝ている間に、必要なものを保存して記憶したり、必要でないものを消し忘れます。

しかし、強いネガティブな感情のまま記憶すると、嫌な思い出として引きずってしまいます。

 

たとえ失敗した日でも、笑って寝ましょう

これは、松岡修造さんが試合に負けた日、笑って寝ると書いていたところからヒントを得ました。

 

テニスの試合となると何万もの観客、自分を支えているチームやスポンサーもいます。

一つの試合で負けるストレスが大きく、心に大きな痛手を負います。

 

原因編で書いたようにネガティブのループで、自信喪失はあがりを招きます。

ステージのあとも、お風呂に入って笑って寝て心身を回復させましょう。

 

脱、完璧主義

間違えない人はいません。

また、人間は失敗を避けて通ることができません。

 

失敗は、次にいい結果を出すために何をするべきか、成長するために必要なフィードバックを得るチャンスです。

ミスをする自分を許せない、「自分はダメだ、完璧でない」と失敗することを認められないと、この機会を活かせません。

ミスをすることが許せないよりも、ミスをした時にどう向き合うかということが大事です。

 

自己肯定感

自分に厳しくしたり完璧を求めたりしないことで、不安や恐怖は減ります。

自分が自分に甘く優しくなれるほど、不安は減ります。

ミスしてしまう自分を責めたりしないことで、安心できます。

 

自分はこのままでいい、ありのままの自分を肯定することが不安や恐怖を減らします。

自分に恥を感じていたり批判的だったところから、器が大きくなって自己を許容できます。

 

たとえ失敗をしても、ショックから抜け出して前を向くことができる、落ち着きを取り戻して再びチャレンジをすると、失敗という概念がなくなります。

安らぎと活力の両方揃ってストレスに強く、成長につながります。

 

音楽家のあがり、原因と克服

ステージフライト、ステージ恐怖症

 

ステージという歓び

広い会場に音が響いて、人々が生の音楽に酔いしれる瞬間は格別です。

音楽が共鳴して人々の気持ちがつながり、みんながその場で見て、聴いて、体で楽しんで幸せを感じる幸せを共有できます。

ステージに立つ音楽家、ミュージシャンに尊敬と感謝の念でいっぱいになります。

 

一つ一つの項目を詳しく書けませんでしたが、音楽家が人に聴かせたり自分らしく活躍していける助けになれば幸いです。

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《ミュージシャンボディトレーナー進藤浩子》

ステージに上がる音楽家のためのフィジカルセラピスト

音楽家の不調を根本的に神経系から改善して、心技体トータルで向上して、ステージで揮けるよう支援しています。

19年医療に従事したのち音楽家専門パーソナルトレーナーに。

バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。

趣味は、大人から始めたクラッシックバレエ、英会話

詳しくは プロフィール

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