音楽家の体と心「動き」

こんにちは。

ステージに上がる音楽家のためのパーソナルトレーナー進藤浩子です。

 

動きにくくなると「力不足だからもっと筋トレしなきゃ」と考えますよね?

体育やジムのおかげで、力や角度が大きい方がいい、速いのがいいと考えます。

ですが、動きやすさやパーツのコントロールしやすさは、筋力や角度が大きければいい訳ではありません。

 

動きのコントロール、メンタルとのつながりについて見ていきましょう。

動きのコントロール

動きを身に付ける

子供が成長していくと、転んで泣いたり、口に入れて味わったり、手で触ったり投げて楽しんだり、親の声を聞いて話すようになります。

動きは感覚、感情、思考によって作られます。

繰り返し動いて、時間的・空間的パターンが神経回路にくみこまれて、動きを学びます。

動きは変わりづらい

体は、脳に記憶された動きのプログラム、神経回路によって、神経が筋肉を動かします。

動きを支配するのは、脳及び神経系です。

大人になると慣れた動きを自動でし、決まった動きを繰り返します。

姿勢や運指のしかた、力の入れ方など、同じ動きを繰り返しても動き方は変わりません。

 

身についた動きは変化はしづらいです。

同じ動きで体を動かし続け、新しいことを受け入れられないと、創造性まで失ってしまいます。

動きやすくなるためには、動きのプログラムを変える、神経回路を作り変えます。

 

動きはトータルで

手の動きと背中なんて関係ないと考える人もいますが、指は腕、体から連なって動くので、肩や姿勢の影響を大きく受けます。

指で弾く動きも、手は前腕から、腕は肩から、肩は体幹から動きが連動するように、一個体のパーツが動くには全体や他の部位の影響があります。

 

その場で安定した姿勢から末端へしなやかな動きができます。

まして一人の体は、脳とパーツだけでなく、あらゆる臓器、機能がネットワークされて働きます。

見たり聴いたりして動きながら、感情が盛りあがったり、呼吸や心拍が速くなったり汗をかいて喉が乾きます。

感覚や感情も含め、体はトータルで働きます。

 

動きはメンタルに影響

動きとメンタル

動きは、感覚感情思考に影響されます。

物に当たる皮膚感覚、筋肉、関節での運動感覚、音を聞く聴覚など感覚をフィードバックしながら動きを調節します。

興奮すると力が入り、落ち込むと力が抜けます。

無意識で動いていると自動で動きますが、考えて動かそうとしたり動きを意識すると、力が入ったりミスをします。

 

動きで集中する

簡単な動きでも集中してやることで落ち着くことができて、リラックス&集中、精神統一ができます。

イチロー選手のバッターボックスに入る前の手足の決まった順番や五郎丸選手の集中の手のポーズなど。

バイオリニストには、本番前に太極拳をされたりお茶を点てる方もいらっしゃいます。

 

気分をコントロール

運動をして気分がスッキリしたり、速いアクティブな動きは気分もアクティブになります。

ストレッチのような体操で気分が落ち着いたり、眠りやすくなったりします。

 

メンタル疾患の改善

PTSDや鬱の人が、ヨガで改善されています。

米でイラク戦争やテロによる精神疾患や自殺者が増え、投薬治療よりもマインドフルネスやヨガで効果が出ています。

また、性暴力の被害女性がヨガやベリーダンスで改善し、トラウマから解放されています。

ベリーダンス特有のリズムによる動きが、効果をあげているようです。

 

運動法について

体は普遍

時代が変わって医学やテクノロジーが進歩しても、体の構造や動く原理が変わることはありません。

神経可塑性を除いて、特別、大きな発見や新しい方法は出ません。

 

運動法や身体技法は、ヨガ、ピラティス、アレクサンダーテクニーなどたくさんあります。

体は普遍なので、宮本武蔵はじめ多くの先人が築いてくれたものから学べばいいと思います。

身体技法いろいろ

橋本敬三さんという内科医がやられた「操体法」が、日本で最初に動きの神経系を説いた人かと思います。

イチロー選手がやっていた小山裕史氏の「初動負荷理論」というのがあります。

脳に障害を負った方々も初動負荷マシーンで神経可塑性によって、改善しています。

 

ピラティス氏も動きで神経系を説き、動きの中心で力の出る下腹を「コア、パワーハウス」と呼びました。

神経可塑性研究の第一人者ノーマン・ドイジは著書の中で、「フェルデンクライス」や「トマティス聴覚訓練法」を取り上げ、身体感覚や聴覚による改善を揚げています。

 

たくさん学ぶほどに、「野口体操」はやっぱりすごいと思います。

東京芸大で体育の教授だった野口三千三先生で「こんにゃく体操」と呼ばれていました。

私はピアニストの羽鳥操先生の教室に通いました。

 

解剖も養老孟司さんの元で学ばれましたが、解剖とは違う生きている体、重さを説かれました。

本がすばらしいですが、運動法というより原理とか哲学なので、お勧めとは言いません。

私の指導は、フェルデンクライスはじめこれらの運動法を元にしています。

 

新しい動き、新しい神経回路が、新しい思考やパフォーマンス、可能性を生みます。


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《ミュージシャンボディトレーナー進藤浩子》

ステージに上がる音楽家のためのパーソナルトレーナー

思うように動かせない、痛みや悩みを抱えている音楽家の方が、

動きを回復して能力を伸ばし続けるよう、支援しています。

19年医療に従事したのち音楽家専門のフィジカルセラピストに。

バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。

趣味は、大人から始めたクラッシックバレエ、英会話。

詳しくは プロフィール

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