天才音楽家は努力か才能か?ー天才の練習とは
1万時間の法則と言って、1万時間練習すれば一流の音楽家になれるという報告があります。
こんにちは。音楽家のフィジカルセラピスト新堂浩子です。
イチロー選手は小学生の時に、ほぼ毎日同じバッティングセンターに通い、365日中360日激しい練習をしていました。
そもそもなぜ、そんなに努力や練習ができるのでしょうか?
音楽家は、どう練習したら天才に近づけるのでしょう?
1万時間の練習で一流音楽家に
心理学者のK・アンダース・エリクソンは、世界的な音楽家になる可能性とその練習時間との関係を調べました。
努力できる人、できない人
努力を続けられる脳ー報酬系
努力できる人は、脳内の報酬系というところが活発に働くそうです。
努力できる人は「これをやったらいいこと(成果やお金)が待っている」ことで、脳内で多くの快楽物質が出ます。
こういう報酬系のおかげで、続ける努力ができます。
努力できない人はこの報酬系の働きが弱く、物事の損得勘定を計算してムダな努力はやめようとなります。
報酬を感じる脳で、損得を冷静に考える機能が弱い人が努力できる人となります。
音楽家になっている時点で、努力できる脳、努力できる人です。
上達できる練習とは
心理学者のエリクソンは、ただ毎日2時間バイオリンを練習しても、ただ漫然と行われる練習であるならばそれほどの効果は発揮できないと言っています。
最も優れたグループの学生たちは「明確な目標と高い向上心を持って成長するように練習していた」そうです。
彼は目的意識と向上心を持ち、集中的に取り組み努力を重ねていく練習、デリバレートプラクティス(計画的な練習)を薦めています。
・明確な目標を揚げそこに到達するよう構成された練習
・弱点を克服するような課題に取り組むこと
・コーチによる定期的なフィードバック
すぐに成果が出るものではなく長期に渡るものであることと言っています。
「彼女に才能は一切無い」
この記事を書いたのはロシアのフィギュアのコーチ、エテリコーチのセリフがきっかけでした。
エテリコーチは多くのオリンピック選手を育て、教え子のザギトワ、メドベージェワは、平昌オリンピックでそれぞれ金、銀メダルでした。
メドベージェワ選手の母親はフィギュア選手だそうです。
エテリコーチはインタビューで「メドベージェワは才能は一切無い。
今の彼女は努力の賜物。彼女は気の遠くなるような努力をしている」
参照)
”The Role of Deliberate Practice in the Acquisition of Expert Performance”
「あなたの脳のしつけ方」中野信子
『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』
《ミュージシャンボディトレーナー新堂浩子》 バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。 趣味は、大人から始めたクラッシックバレエ♪ 詳しくは ≫プロフィール |