ジストニアやステージフライトでも楽しく!「気持ち」が大事なワケ
こんにちは。
ステージに上がる音楽家のためのパーソナルトレーナー進藤浩子です。
ジストニアやステージフライトの方が、楽しく気分良くいることって大事です。
そんなもんで変わるわけない!気分なんて動きに関係ないと思いますよね?
ところがどっこい、気持ちや考え方は脳や体に大きく影響します。
ニセ薬でよくなるプラシーボ効果
全く効果のない錠剤を「これは痛み止めです」「解熱剤です」と言って飲ませると、本当に痛みがなくなったり熱が下がったりします。
ニセ薬を薬と思って飲む、気の持ちようや考え方が、体に強い影響を与えます。
プラシーボ効果はプラセボ効果とも言って、有効成分が含まれていない偽薬によって、症状の改善が20~30%の人に見られます。
理由は明確になっていませんが、エンドルフィン(快楽物質)の分泌が増加し痛みを抑え、気分をリラックスさせ免疫力を活性化させる、と考えられています。
期待や暗示から 脳内物質を変化させたり自然治癒力を上げます。
新薬の効果判定は、プラシーボ効果を考慮してそれを上回らないといけない、それくらい効果は大きいです。
病気に感情は関係ないと考えられていますが、動きの改善にも大きく関わります。
ジストニアでも楽しく
指のジストニアは、病理学的には原因はわかっていませんが、楽器を弾くという行為で起こります。
真面目にレッスンしてきた人ですから、ジストニアになるとショックですし、焦りや不安も大きいのも当然です。
だからこそ、病気に固執せず病気を忘れて楽しくいること、幸せを感じることは大事です。
思うように弾けないのに、楽しんだり幸せに思うなんてなかなかできないでしょう。
それでも、おいしいものを食べたりおしゃれを楽しんだり、たくさん笑うことをおすすめします。
精神的なものは動きに関係ないと考えがちですが、無意識のうちに脳や体へ大きく影響します。
癌など重い病気でも、心の持ちようは痛みの大きさに影響し、笑うことは精神面にだけでなく治癒力も向上させます。
病気の悲しみや辛さがあるからこそ、今を楽しく幸せに生きることは大きいですし、経過にも影響します。
なんの病気でも「やっつけるべき敵」「病気との闘い」ではありません。
動きの異常や痛みは、気持ちやレッスンのやり方や動き方が、本人にとって負担があることが、脳や動きの神経、筋肉に出ます。
自分の体に表れる異常は、本人や動き方に負担があったことを教えてくれています。
手が動かない自分はダメ、克服すべきと考えるより、傷めたことを受け入れ、弾けない自分を受け入れましょう。
自分の気持ちやレッスンなどを見直す機会です。
なぜレッスンしていたのか、どんな気持ちでレッスンしていたのか、どんなレッスンのやり方、手の使い方だったのか。
動きの改善にも感情や考え方が大きく影響します。
不安や恐れがあってもそのままにしておいて、病気よりも、自分を幸せにするものに目を向けてみてください。
いい気持ちで楽しくいる方が、改善しやすくなったり、どの治療が自分にいいのか自分に合う治療法を選択できます。
ステージ恐怖症やジストニア
ステージ恐怖症や様々な恐怖症、腕や脚、口などパーツのジストニアで、恐怖心や症状を抑えようとしてしまいます。
本能的な恐怖をコントロールしようとすることは、さらなる葛藤を生みます。
体は怖い、動くな、というサインを出しているので、ダメと思ったり自分を責めたりするより、自分が安心することは大切です。
(ちなみに不安や恐怖をコントロールするのではなく、自然なものとして症状を受け入れ、葛藤を起こさないようあるがままでというのが森田療法です。)
自分でわからない怖さの原因を根治することで、本来の能力を開花させることができます。
私が恐怖症の方に薬の治療をおすすめしない理由です。
心の病と薬
ステージフライトとは違いますが、うつ病の人は脳内のセロトニンが減少しているので、セロトニンをコントロールするSSRIという薬が第一選択です。
SSRI ≫あがり、恐怖症に使われる向精神薬
薬で脳内物質をコントロールしているだけだと、軽くはなっても、すっかり完治はしません。
うつ病になるということは、本能的に心身がいやだと悲鳴を上げている状況です。
仕事とかに行きたくない、でも行かなくてはならない。
でも頭では、人に迷惑をかけてはいけない、仕事しなければならない、行けない自分を責めてしまいます。
根底に「自分は〜せねばならない」「ダメな人だと思われてはいけない」という思い込みがあって、真面目な日本人は時に過労死してしまいます。
自分の思い込みに支配されているので気づけませんが、体はサインを出しています。
体は、私達が考えるよりも深い心理を映し出します。
根治は、うつ病になった原因を排除すること、つらい仕事に復帰なんてせず、自分が幸せと思える生き方をすることです。
根底が覆ることで、薬でなくても精神的な病いは良くなり、その人にとって本当に有意義で幸せな人生を歩めます。
このことは、精神科医の泉谷閑示先生の本にもかかれています。
体と心、一心同体だから、感情は大事
体の症状や指の動きにくさは、自分では気づかないところから起こる神経系のしわざです。
私達は体と心を切り離して考えてしまいますが、体と心は、切り離せない、一心同体です。
動きや恐怖症の改善に、感情は大事、楽しい気分でいることは、いい方へ向かいやすくなります。
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『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』
《ミュージシャンボディトレーナー新堂浩子》 バイオリン、ピアノ、トランペット、アコギ歴。 趣味は、大人から始めたクラッシックバレエ♪ 詳しくは ≫プロフィール |